躁状態にある人は自分は病気とは思わないため、家族の協力が不可欠です。
家族歴、病歴、これまでの経緯などを聞きます。
他の病気の可能性をチェックすることも大切です。
ほかの病気のチェックと問診で得る情報がベース
躁状態で受診する患者さんの場合、まずその症状のほかの病気にる因るものではないか調べる必要があります。
はじめて躁状態になり、それまでは特に異常がなかったケースは、脳の病気や、意識障害なども考えられます。甲状腺機能亢進症でも躁状態になることがあります。
こういった病気は、脳の画像検査や血液検査でチェックできます。
過去にうつ病になったことがあり、躁状態で受診した人は、比較的容易く双極性障害と予想がつきますが、きちんと診断するためには問診は必要です。
実際に軽い躁とうつを繰り返し、何かおかしいと感じながらも受診せずに様子を見てきた、という人は多くみられます。
このような場合は、症状の経過を記したメモがあると診断の役に立ちます。
家族に協力してもらって作る様にしておきましょう。
なお、初めて躁状態があらわれる患者さんは、症状が重い傾向があります。ひどい場合は、話の内容が支離滅裂で、被害妄想などがあると、統合失調症と間違われることもあります。
こういったケースは、本人への問診だけでは、双極性障害かどうかの判断は困難です。
重い躁状態の患者さんは、家族など周囲の人に付き添われて受診することが多いので、家族からも話を聞きます。
受診の際に、これまでの経過、家族歴、病歴、危険行為や問題行動の有無、行動の内容などメモを用意しておくと、医師からの質問にも答えやすいでしょう。
躁状態での問診ポイント
どんなこと問診されるんだろう??
- 問診は複数回行う
- 本人とは別に、家族や関係者から話を聞く
- 質問内容
- 本人の家族歴(両親、兄弟に双極性障害の人はいるか)
- 躁症状が始まった時期(年齢)と症状の経過
- 妄想や幻聴など、精神疾患を伴っていないか
- これまでにうつ状態になったことがあるか
- 社会的な機能や、職業的機能に障害となるようなことがないか(極端な気分の高揚による問題行動や危険行為があったか)
- 死について考えることはあるか(自殺念慮を判定し、リスクに備える)
- 家族にも協力してもらい、症状の発症時期、ほかの病気の治療歴、問題行動や危険行為があった場合はその時期、人生での大きな出来事などを記入したライフチャートを作ってもらう。
躁状態の人に病気を理解してもらうには
躁状態にある患者さんは、自分では調子がいいと思っていますので、病人扱いされることを嫌がります。
機嫌が良い時を見計らい、医師が病気について説明しようとしても、突然不機嫌になり「自分は病気ではない」と怒り出す患者さんもいます。
相手が医師でも、このような反応ですから、家族が説得するのはかなり難しいといえます。
躁状態の真っただ中にいる人に、病識をもってもらうことは、期待しても無理と思っていた方が良いでしょう。
それでも薬を飲んでもらう必要がありますので、これは医師から説得してもらいます。
そして治療が進み、状態が改善してから少しずつ説明していきます。
最もよいのは、うつ症状も躁症状もない時期です。
ここで、患者さんと家族は病気について十分に話し合ってください。
なお、再発時になると躁状態にあっても受け入れる気持ちが出てきますので、うつ状態で辛いときを思い出してもらい、躁状態をきちんと治療しないとまた辛くなることを説明します。
そんな感じ。
そんじゃー、またね(‘ω’)ノ
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