本人や家族が病気を正しく理解する
双極性障害は、症状の有無に関わらず、長期に渡って治療を継続していく必要のある病気です。
長く病気と付き合っていくためには、病気のことを正しく理解し、受け入れることが重要になります。
そこで、最初に理解しなければならないのは、「双極性障害は脳の病気」だということです。
脳の病気なんだね!!
はっきりとしたメカニズムはわかっていませんが、脳内の神経伝達物質の不具合によって、躁やうつといった気分の波が生じてしまうのです。
この不具合は、気の持ちようでコントロールすることはできません。
激しい躁状態にみられるひどい暴言も、常軌を逸した行動も、病気がさせていることなのです。
患者さんは自分を責める必要はありません。
そばにいる家族も患者さんを責めるのではなく、一緒に病気に立ち向かう気持ちを持つことが大切です。
幸いなことに、双極性障害には有効な薬物治療があります。
薬物治療で病気を抑えることができるんだ!
双極性障害は再発しやすい病気ですが、定期的に通院し、薬物治療を継続すれば、もとの自分らしい生活を送ることは十分に可能なのです。
病気への理解が一歩進むと、今度は「一生、薬を手放せないのか・・・」という不安にかられるかもしれません。
しかし、生涯に渡って薬を服用しながら付き合う慢性の病気は、双極性障害以外にもたくさんあります。
例えば、高血圧や糖尿病の患者さんは、定期的に通院しながら薬の服用を続けていますが、同時に健康な人と変わらない生活を送っているものです。
同じように、双極性障害という持病があっても、正しく治療を継続していけば、病気をコントロールしながら日常生活を送れるのだということを知っておいてください。
薬の服用は自己判断でやめない
再発を防ぐために、絶対にやってはいけないことは、自己判断で薬の服用をやめてしまうことです。
患者さんが薬の服用をやめてしまうときというのは、主に3つの状況が考えられます。
まず1つは、躁もうつも現れていない寛解期です。
寛解期になると、多くの患者さんは普通に日常生活を送ることが出来ます。
寛解期が半年、1年と続くと、「もう薬を飲まなくても大丈夫だろう」と思いたくるでしょう。
家族や周囲の人も、病気を正しく理解していないと、「いつまで薬を飲み続けているのだ」と言いたくなるかもしれません。
しかし、ここで薬の服用をやめてしまうと、非常に高い確率で再発してしまうのです。
症状のないときこそ、今一度、薬物療法の必要性を再確認してみてください。
2つ目に薬をやめたくなるときというのは、薬が合わない場合です。
症状がなかなかよくならないと、「薬を飲んでいるからよくならないのではないか」と疑心暗鬼になることがあります。
特にうつ状態が長引くことが多く、その人に合った薬の処方が見つかるまでに時間を要することがあるものです。
薬物療法の中心となる気分安定薬や抗精神病薬は、複数の種類があり、薬の組み合わせにもいくつものパターンがあります。
今の組み合わせが合わないとわかれば、医師は別の方法を考えてくれるはずです。
諦めずに治療を続けてください。
もう1つ、躁状態が始まった時も要注意です。
特にうつ状態から急に躁転したときは、昨日までのつらい気分がうそのように晴れてしまうため、病気は完全に治ってしまったと思い込むことがあります。
しかし、そんな時こそ、薬で躁の波をしっかり抑える必要があるのです。
本人の意思だけで薬を飲み続けるのが難しい場合は、家族のサポートも必要になります。
それでも薬を服用できない場合は、入院を検討することになります。
そんな感じ。
そんじゃー、またね(‘ω’)ノ
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