家族の対応は、患者さんの病気の経過に影響します。
そこで、家族にも病気の知識やコミュニケーション法を学んでもらうのが家族療法です。
再発の予防に有効とされています。
治癒に適した家族環境は、再発率を下げる
精神医学では、患者さんにとって家族は重要な「環境」だと考えます。
より正確に言うと、家族と共に過ごす「生活環境」(家族生活環境)が重要なのです。
治癒に適した家族生活環境で暮らす患者さんは、再発率が下がることがわかっています。
家族の対応が、患者さんに与える影響については、統合失調症の研究が進んでいます。
それによると・・・
患者さんに対して「批判的なコメントをする(怒り、反対、嫌悪など)」「敵意を抱く」、また症状に対して「情緒的に巻き込まれる(自己犠牲や献身、極端な過保護など)」、こういった家族のもとで生活する患者さんは、再発しやすくなります。
一方、「温かみ(自発性の尊重、思いやり、気遣い、共感、患者さんへの関心)」や「肯定的な言葉」をもって接する家族のもとでは、再発率も低くなります。
最近、双極性障害でも調査研究が行われ、同じように、家族生活環境が再発に影響すると報告されています。
双極性障害の経過を見ると、発病した当初は、家族も、治療で良くなり元に戻った(ように見える)患者さんを温かな気持ちで受け入れることができます。
しかし、たびたび症状がぶり返すうち、家族は介護に疲れてきます。
躁症状による問題行動や経済的なトラブルなどがあると、それに振り回されてサポートする気持ちを失うこともあります。
家族療法とは、このような家族の困難を援助する、家族のための心理教育です。
家族はこの心理教育で、病気への理解を深めたり、患者さんへの対応を学びます。
家族療法(家族心理教育)の内容
病気についての知識を得る
双極性障害とはどのような病気なのか、医学的な知識を学びます。
特に、再発しやすい病気だということは、家族も理解することが大切です。
家族が病識を知っていてくれていると安心だ!
再発への対応を学ぶ
症状がぶり返す前のサインは、家族も把握しておきます。実際に症状が再発したときの対応も学びます。
適切に対応することで、症状がエスカレートすることを防ぎます。
服薬の大切さを知る
薬の役割を学びます。
薬は症状を改善するだけでなく、再発予防にも必要であることを理解します。
患者さんが薬を飲みやすいように、家族も協力します。
患者さんが服薬を守っていないようであれば、医師と相談します。
副作用にも気を配ります。
症状への対応
患者さんのうつ症状や躁症状が再発したときの対応を学び、症状によって受ける社会的損失が大きくならないよう、家族も協力します。
問題が起こった時の解決法も学びます。
ストレスマネジメント
ストレスは再発の大きなリスクになります。
患者さんだけでなく、家族自身もストレスをためないような工夫を学びます。
患者も家族もストレスをためちゃダメ!!
治療に適した環境づくり
再発を防ぐ家庭環境づくりや、家族の役割について学びます。
また、患者さんとのコミュニケーション法を学びます。
そんな感じ。
そんじゃー、またね(‘ω’)ノ
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