双極性障害もうつ病も、同じようなうつ症状があり、ときに誤診されることがあります。
しかし、2つはまったく別の病気。
治療法が異なりますので、違いを知っておきましょう。
さて、ここから双極性障害とうつ病の違いを一緒に勉強していきましょう。
知っておきたい「違い」のポイント
双極性障害は、診断や治療が非常にむずかしい病気です。
診断や治療が難しいんだ!?
特に同じようなうつ症状があらわれる「うつ病(単極性うつ)」との見極めが重要になります。
患者さんにとっても、治療に取り組むときのポイントになりますので、双極性障害とうつ病には、どのような違いがあるのか概略を知っておきましょう。
症状の違い
病気がうつ症状で始まる場合、なかなか双極性障害とはわかりません。
経過を見ていく必要性があるのですが、単極性のうつ症状と比べて、双極性障害のうつ症状は「急激に発症する」「比較的重症である」「妄想や幻覚などの精神症状をともなう」などの傾向があるといわれます。
また、躁状態は、うつ病にはない、双極性障害に特徴的なものです。
躁状態にあっても、本人は活力がみなぎっているように感じ、病気という自覚がありません。
多弁になる、「ハイ」になる、怒りっぽくなる、金遣いが荒くなるなど、いつもと違う病的な様子に、周囲の人は早く気付くことが大切です。
治療薬の違い
双極性障害の治療はうつ病とは異なり、気分安定薬(リチウム)や非定型抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン)が第一選択薬になります。
しかし、双極性障害はうつ症状で始まることが多く、この場合は、まずうつ病と診断され、抗うつ薬の治療が進められます。
そして経過を見ながら、途中で躁の症状があらわれたときは、改めて双極性障害と診断し、気分安定薬を中心にした治療に変えます。
双極性障害は、適切な治療を行わないまま抗うつ薬だけを飲み続けていると、気分が非常に不安定になり、回復が遅れて慢性化していくからです。
発生率の違い
双極性障害は非常に再発しやすい病気で、再発率は90%以上です。
いったん症状が治まっても、ほとんどの場合、再発すると考えた方がよいでしょう。
ですから、患者さんは予防のために薬を飲み続ける必要だあります。
一方、うつ病は再発はほとんどなく、通常1~2年ほど治療すれば回復して、薬をやめることができます。
うつ病と診断され、きちんと治療を受けているにもかかわらず、なかなか回復しない場合は、双極性障害の可能性も考えられます。
なりやすい年代、男女比の違い
双極性障害は、うつ病と比べると患者数は少なく、罹患率はおよそ10分の1です。
発病しやすいのは、うつ病は平均40歳。一方、双極性障害は20歳前後で10代での発病も見られます。
うつ病は、どちらかというと中高年での発病が多く、双極性障害は若い年齢ではじまりやすいのです。
これは、双極性障害が遺伝的な影響を受けやすいためです。
また、うつ病と双極性障害では、発症率の男女比にも違いがあります。
うつ病は女性に多く、男女比は1:2。女性の方が男性の2倍です。一方、双極性障害の男女比は1:1で、ほとんど差がありません。
そんな感じ。
そんじゃー、またね(‘ω’)ノ
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