混合状態について見ていきましょう
陽気で活力にあふれる「躁」と、あらゆるエネルギーが枯渇したようになる「うつ」。
まったく反対の症状が同時に起こるのが、混合状態で、本人の気分は深刻で危険な状態です。
正反対な躁とうつのネガティブな部分が重なる。
双極性障害という病名は、正反対な2つの極、躁とうつを表します。
躁のときは、陽気でエネルギーに満ち、頭の回転が速く、意欲的に次々と仕事をこなす「多幸状態」になると考えられています。
一方、うつの時は、エネルギーが枯渇して、憂うつな気分に落ち込み、何をする気力もなく、行動力も低下して、あらゆる面で「ネガティブな状態」といえます。
この両極端な症状が一度に起こることなど、普通は考えられないでしょう。
しかし、躁にもネガティブな側面があります。
多くの人が、躁状態にあるときは気分が良いと思っていますが、実際は気分が悪くなったり、不愉快な思いを抱えることも多いのです。
頭の回転が速く、行動力があり、激しく力強い感情が起こるのは、ポジティブな躁にもネガティブな躁にも共通してみられますが、ネガティブな躁には多幸状態がありません。
代わりにあるのは、正反対の「不機嫌な状態」で、怒りや不安が頻繁に現れます。
このネガティブな躁状態とうつ状態が同時に起こるのが「混合状態」です。
躁とうつのネガティブな部分が重なり、自殺の危険性が高くなりますので、十分注意する必要があります。
なぜ自殺の危険性が高くなるのか
混合状態になると、極度の興奮とひどい落ち込み、あるいは極端な怒りと絶望といった、相反する気分が同居するようになります。
また、うつ状態に躁の誇大妄想が重なると、躁の過剰なまでの自信は消され、自信のなさが際立ってきます。
混合状態でもっとも大変なのは、自信の喪失なのです。
躁の「急速な思考」が加わり、頭の中はネガティブな考えでいっぱいになります。
「自分は何もできない」「自分は嫌な奴で他の人の負担になっている」「人間として価値がない」などと思い込んでしまいます。
単にうつ状態だけのときも自殺を考えますが、混合状態の中でのうつでは、自殺をするのが当たり前というほの、激しい自殺念慮にかられます。
自分などいない方が、家族にとっては幸せなのだと、本気で思ってしまうのです。
非常に危機的な状況ですので、早く気付いて治療に導くことが重要です。
このような興奮や自殺念慮は、治療によって抑えることができるからです。
そんな感じ。
そんじゃー、またね(‘ω’)ノ
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