「うつ」のときは、思考も感情も、身体面もエネルギーが欠如します~双極性障害~

健康
たもも
たもも

双極性障害におけるうつ状態の特徴を見ていきましょう

躁のときは、気分が高揚してエネルギッシュに活動していた人が、うつ状態になると一変して、心も体もエネルギーをなくしたようになります。本人には大変つらい状態です。

中核となる精神状態:「憂うつ感」「興味・喜びの喪失」

憂うつ感

うつ病の中核症状は、第一に「憂うつな気分」。これは嫌なことがあったりしたときに普通に感じる憂うつ感とはまったく別のものです。

もっとつらい、形容しがたいほど嫌な気分が、逃れようもなく一日中、何日も続きます

その状態は、はた目には、意欲がない、やる気がない、という風に見えますが、本人は筆舌につくし難い、うっとうしい気分に沈んでいます。

そして、このつらい状態が永遠に続くのではないかと感じています。

興味・喜びの喪失

もう一つの中核症状は、すべてのことに興味を持てず、喜びが感じられなくなる「喪失感」です。

やりがいを感じていた仕事にも、世の中の出来事にも興味を失います。

何をしても、何を見ても、うれしい・楽しいという感情が湧かず、砂漠のような荒涼とした気分が続きます。

また、性的な喜びを得られなくなることもあります。

ポイント

うつ状態かどうかは、「憂うつな気分」と「興味・喜びの喪失」の2つの中核症状のうち、少なくともどちらか一方が、一日中、毎日、2週間ずっと存在していることがポイントです。

症状が始まって数日しか経っていなかったり、2つの症状のどちらもない場合は、うつ状態とは言えません。

思考面での症状:「思考力の低下」「自己否定」「自殺念慮」

思考力の低下

躁状態で見られる「急速な思考」とは逆で、思考力や集中力が落ちて、物事が決められなくなります

本人は、「頭がさえず、ボーっとする」「考えが進まない」「考えがまとまらない」「同じことばかり考える」と感じています。

このような思考力低下を反映し、話し方のテンポが遅くなり、言葉の表現も乏しくなります。

自己否定

思考力の低下が進むと、自信を失い、自分には価値がないと自己否定的な考えにとらわれるようになります。

自分の判断や行動に対して「そうしなければよかった」と根拠のない罪悪感にかられたり、「自分には能力がない」と卑下したり、「何の希望もない」と将来に絶望するようになります。

自殺念慮

これは、「自殺したい」という考えで頭がいっぱいになる状態です。

自己否定のあまり、死ぬことをしばしば考え、計画を練ることもあります。

ポイント

双極性障害では、躁のときは周囲が困りますが、うつの時は本人がつらい想いをします

家族は、本人がうつ気味の方が静かに過ごせるため、気を緩めがちです。

しかし、自己否定や自殺念慮が進んでいることがあります。

助けを求めるサインを見逃さないように気を配ることが大切です。

意欲面での症状:「おっくう感」「イライラ感」

おっくう感

強い倦怠感があり、何をするのもおっくうで、意欲が湧かない状態です。

「何かをしようとする気がおきない」「やらなければいけないと思っても、手が出ない」「手をつけても、根気が続かない」「人と会ったり、話すのが面倒」「些細なことも決断できない」「趣味ならできるが、仕事には自信が持てない」・・・などと、本人は訴えます。

すべてのことに無気力になり、行動力や集中力が低下し、動きはのろく、弱く、活気がなくなります

小さなことも決断することができなくなります。

イライラ感

何でもないことに神経が過敏になってイライラしたり、逆に、何事にも無反応になって鈍化します。

「心ここにあらず」の状態で、慣れていた仕事や家事、あるいは食事や入浴など日常的なことにも意欲がそがれ、生活にも支障が出てきます。

行動が乱れ、そわそわと意味もなく歩き回ったりすることもあります。

ポイント

意欲が低下していると、行動面に現れますので、本人も周囲の人もすぐ気づきますが、改めるのも難しく、ついつい放置してしまいます。

「動きたくないから動かない」という状態を変えるには、日常の事からでも、おっくうがらずやってみることです。

身体面での症状:「体重の増減」「睡眠障害」

体重の増減

うつ状態になると、あらゆる欲求が少なくなってきて、食欲もなくなり体重が落ちてきます

しかし、うつ気分を食べることでまぎらわせようとすることがあり、この場合は体重が増えます。

睡眠障害

いわゆる「不眠」には、①寝つきが悪い「入眠障害」、②眠りが浅く何度も目が覚めて熟睡できない「熟眠障害」、③夜中または早朝に目が覚めて眠れない「早朝覚醒」、④目が覚めてもすっきりしない「覚醒障害」があり、うつ病ではどのタイプの不眠も重複して見られます。

ただし、双極性障害のうつでは、不眠も見られますが、一日中眠気が続き「寝すぎる(仮眠)」症状の方が目立ちます。

ポイント

うつ状態になると、身体面の症状も出てきます。

その代表が「体重の増減」や「睡眠障害」ですが、他にも、疲れ、頭痛、耳鳴り、めまい、しびれ、腰痛、関節痛、腹痛、便秘、下痢など多彩な症状があらわれます。

うつとは関係ないように見えますが、これらの身体症状にも気を配ってください

たもも
たもも

そんな感じ。

そんじゃー、またね(‘ω’)ノ

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